信州友愛ロータリークラブ 例会
2025年11月5日開会 (通算191回)

例会開催は、毎週水曜日0時より開催となっております。

開会点鐘・歌の斉唱

会長挨拶

【会長挨拶】
                                                                                                                                 笠原芳子
会員の皆さん、こんにちは。
すっかり秋も深まり、今年も残り少なくなりました。時の流れるのは速いものと改めて感じ入っています。

10月29日のZOOM例会「小林磨史ガバナーの公式訪問」につきましては、会員方々の多数出席をありがとうございました。佐々木ガバナー補佐と飯沼地区幹事も同行されましたが、時間の関係で一言いただけなかったのが心残りでした。お二方と会話を交わせる機会は今後もあると思いますので、同席できた時には是非お声がけをしていただきたいと思います。

小林ガバナーの温かく気さくなお人柄と明るい笑顔でのご対応に、例会の雰囲気も緊張がほぐれて楽しく有意義な時間となりました。防災・減災について当クラブでも今後のイベントの中に組み込めるよう企画したいと強く思ったところです。

さて、今回は私が関わりある2人の女性についてご紹介しますが、ご参考にしてください。
(1) 上野千鶴子氏(1948年生まれ)
日本の社会学者で東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットーワーク
(WAN)理事長他女性やジェンダー研究の専門家として、多数の著書を執筆しています。
その著書は、家族制度や資本主義の構造、女性の社会的地位や老後の生活問題、性別に基づく社会的偏見(ミソジニー)など多岐にわたるテーマを扱っており、日本のフェミニズムや社会学の発展に大きな影響を与えています。今回取り上げたのは、彼女が「日本初の女性首相高市早苗氏誕生」に対して「うれしくない」とのSNS投稿についてです。

○喜ぶべきだとの声をどう見ますか?
フェミニズムを戯画化する意図で外野がそう言いそうですね。しかし、それはフェミニズムをあまりに単純化しています

○そもそもフェミニズムは、女性が世間の序列を上がっていくことを目指す思想だったのですか?
世間の序列を作ったのは男性社会ですから、そこに参入することが目的とは言えません。たとえば1985年にできた 男女雇用機会均等法 は、家事や子育てを女に押しつけてきた男の働き方を少しも変えることなく、競争したければ男と同じ条件のもとで勝ち抜け』と言って女に『男並み』の働き方を強いる法律でした。当時私は短大の教壇に立っていて、直観的にこう思いました。女子学生たちに向かって『がんばって総合職の座に食い込み、歯を食いしばって生き残れ』と言うことがフェミニズムなのか? まさか!と。

○2019年に話題になった 東京大学 の入学式での上野さんの式辞が思い出されますが弱者が弱者のままで尊重されることの大事さを説くお話でしたね?
フェミニズムは、女が男のようにふるまいたいという思想でも弱者が強者になりたいという思想でもなく、弱者が弱者のままで尊重される社会を求める思想です。均等法成立のときに抱いた直観は、当たっていました。直観とは分節化される前の思想ですから。

⦿以上から読み解かれるのは、男性とか女性とかではなくてどちらでもそこに就くのが最も適した人、と自然に受け入れられる社会が当然であることです。

(2)吉田穂波氏(1973年生まれ)
産婦人科専門医・産業医として、東日本大震災での支援活動をきっかけに「受援力」(じゅえんりょく)について研究と社会啓発活動を行っています。受援力とは「人に頼る力」「他者から援助を受け取る力」のことで、近年では災害対応だけでなく、職場や家庭など日常の中でも重要なスキルとして注目されています。​

【受援力の定義と重要性】
受援力は「困っている際に他者へ直接助けを求めることができる力」(help-seeking behavior)とされ、自己責任や「人に頼る=弱い」という考えに縛られがちな現代社会で、孤立や心身の不調を防ぐために不可欠な能力と位置づけられています。また、災害支援の現場でも援助を受け入れるコミュニティの力として紹介され、職場のメンタルヘルスや孤立防止の観点でも活用されています。

【受援力が必要な場面と社会的意義】
 災害や非常時に限らず、職場・家庭・地域で孤立を避けるために活用できる。​
 心身が限界となる前に「助けて」と言える文化が、社会の持続性や多様性の尊重、包括的な支援体制の構築につながる。​
 受援力を高めることで、「頼ることは弱さではなく、互いに支え合う力」として前向きに捉える社会が広がる。​

講演テーマは主に「受援力(人に頼る力)」や「ワークライフバランス」、「頼るスキルを身につけること」などで、人生や仕事、子育ての中で人とのつながりを大切にし、困難な時に助けを求められる力を強調しています。2020年のセミナーでは「私の働き方改革~仕事も、人生も、生活も楽しむために」というテーマで講演し、子育てと仕事の両立や受援力の実践について話しています。​

最近の講演記録としては、2022年7月には企業向け研修「働く人の受援力を高める」で講演、2025年8月にはNHK首都圏ニュースでのインタビュー出演もあり、2025年5月にはDOHaD疫学セミナー
での登壇もの他、「受援力のススメ~頼り上手な子育てを今この地域から~」というテーマの研修講演もされています。

⦿災害や非常時への対応への姿勢は、今期2600地区の「地域の防災・減災」への一つのヒントにもなると感じます。
更に多様化する社会への対応力をどのようにつけていくか日々考えさせられますが、最も大切なのは「人権」と思っています。
以上

メークアップ&ニコニコボックス

下記の皆様よりニコニコボックスを頂きました。

信州友愛RC 乾みゆ紀君
「IMでは有意義なお時間をいただきありがとうございました。」

信州友愛RC 新本登志也君
「よろしくお願いします。」

信州友愛RC 金児進君
「11月になりました。浅間山にも初冠雪。いよいよ冬シーズン到来です。会員の皆様におかれましては風邪などひかぬよう充分お気を付けください。 今月もよろしくお願いします。 」

卓話

近況報告

信州友愛RC 宮川 章会員

長年、私は言葉にできない“生きづらさ”を感じてきました。何かがおかしい、何かが違う。

その感覚は何十年も心の奥にありましたが、近年になってようやく、その違和感の正体に気づき始めました。
それは、私たちが暮らす社会の“二つの当たり前”に対する疑問でした。 一つは資本主義という仕組み、もう一つはお金の仕組みです。

資本主義は、一部の金融資本家が富を得るために、誰も気づかないよう巧妙に設計された構造であり、私たちは疑問を持つことなく、当たり前のものとして受け入れてしまっています。

お金も同様です。もともとお金は、金との交換券として発行され、人と人との価値のやり取りを円滑にするための道具でした。ところが現代では、銀行が貸し出すことでお金が生み出される「信用創造」の仕組みが主流
となっています。つまり、借金によってお金が生まれ、そこには必ず利子が付きます。そしてその利子は、金融資本の利益となっていきます。

この構造では、経済が常に成長し続けなければならず、預金も借金によって作られるため、私たちは返済のために働き続ける“経済的な奴隷”のような状態に置かれます。その中で、限られたお金を奪い合い競い合う。誰かの利益が他の誰かの損失になる。そんなゼロサムゲームが繰り広げられています。
利子の存在によって穴埋めができず、借金は雪だるま式に増えていき、アメリカでは天文学的な負債で返済不能なレベルに達しています。もう資本主義そのものが限界に近づいていると感じています。

さらに、経済成長を前提とした社会は、有限な資源の消費を加速させています。必要以上に浪費し、感謝もなく使い捨てる そんな浪費社会の現実に、私は深い疑問を抱いています。
確かに、現代は豊かで便利な世の中になったとは思います。けれど、これが本当の豊かさであり、幸せの形だとは、私には思えません。 物質的な充足があっても、心が満たされていない。情報が溢れていても、真実が見えにくい。そんな今だからこそ、私たちは“本当の豊かさ”とは何かを問い直す必要があるのではないでしょうか

お金の仕組みそのものが、資本主義の拡大を支える装置となり、私たちの暮らしや価値観をも変えてしまったのです。そして、それが真実かどうかを疑うことすら許されない“利権のための常識”もあります。化石燃料、地球温暖化、ワクチンなどなど、さまざまな分野において、私たちは真実かも分からない情報に翻弄され、疑うことを忘れてしまっているように感じます。

本来、人間は自然と寄り添い、循環の中で生きる存在だったはずです。縄文時代のように、自然と共にあり、分かち合い、感謝しながら暮らす――そんな生き方が、人間の本質に近いのではないかと思うのです。

この気づきは、私にとって大きな転換点でした。今では、自然との共生、感謝、愛といった価値を大切にしながら、自給自足もふまえて、子どもたちの未来のために循環する生き方を模索しています。
経済の仕組みをすぐに変えることは難しいかもしれません。けれど、私たち一人ひとりが“違和感”を言葉にし、“感謝と循環”を選び直すことで、未来は変わると信じています。
ロータリークラブの皆さまは、地域社会や人とのつながりを大切にされている方々です。だからこそ、こうした問いを共有させていただきたいと思いました。私たちが今、何を大切にし、どんな価値観で生きていくのかそれが、次の世代への贈り物になると感じています。

私はこれからも、自分の感覚を信じ、自然と人とのつながりを大切にする生き方を探求していきます。
ありがとうございました。