卓話タイトル: 「防災」に関わる経験について
                                   信州友愛RC 西入 寿和会員
 
この度は卓話の機会をいただき、ありがとうございます。
今回は、今年度の小林ガバナー年次活動の1つになっている「防災・減災」に関連して、私的に地元の自治区役員としての「防災」と「防犯」(「減災」ではありませんが)も含めた経験や、自宅での備えについて記述させていただきます。
 
1.自治区役員として見えた「防犯・防災」の現場
まず、防災・防犯に関わる自治区役員の活動についてです。
最近、私たちの自治区でも

  • 防犯カメラの設置
  • Wi-Fi 環境の導入
  • それらの運用ルール・規約の策定
といった取り組みを進めてきました。防犯カメラについては、「防犯カメラ補助金」という制度の存在を知り、実際に活用を検討しましたが、ここで大きな課題が見えてきました。
  • 申請書類が非常に複雑であること
  • 補助金受給後も、経過報告や実績報告など、継続的な事務作業が必要であること
つまり、「制度がある=使いやすい」ではない、という現実です。防犯や防災の取り組みは、現場の熱意だけでなく、こうした事務負担をどう分担するかも含めて、地域で話し合っていく必要があると痛感しました。

 
2.非常時装備品は「カタログ」ではなく「実物」を
次に、非常時装備品についてです。カタログやインターネットで見ると、いかにも便利そうな商品がたくさん並んでいますが、私は「非常時装備品は実物を確認するべき」だと考えています。
  • 実際に持ってみると重くて運べない
  • 操作が複雑で、緊急時にはとても使えない
  • 思っていたよりも音が大きい、場所を取る
など、実物に触れて初めてわかることが多くあります。非常時に使うものほど、「触ってみる・試してみる」というプロセスが重要です。
 
3.発電機の導入と「消防団との連携」の必要性
非常用電源として、発電機の購入を検討したこともあります。しかし、ここでもいくつかの課題が見えてきました。
  • 燃料の保管方法・保管場所の安全性
  • 燃料の劣化を防ぐための管理
  • 発電機そのものの定期点検・機器整備
  • 実際に誰が操作するのか、操作訓練をどうするのか
これらを自治区だけで完結させるのは、現実的にはなかなか難しいと感じました。そこで重要になるのが「消防団との連携」です。消防団は、機器の扱いや安全面の知識を持っています。
  • 点検のポイント
  • ガソリン等可燃物の保管方法
  • 実際に発電機を稼働させる際の注意点
など、専門性のある立場と一緒に体制を考えることが、地域全体の安全につながると感じています。
 
4.トイレ・水・非常食 ―「置くだけ」で終わらせないために
非常時装備品として、忘れてはならないのが、
  • トイレ関連(簡易トイレなど)
  • トイレットペーパー
  • 非常食
といった生活必需品です。これらは、「期限管理」 が非常に重要です。
  • 非常食の賞味期限
  • 水の入れ替えタイミング
  • 消耗品の残量チェック
「買って満足」ではなく、「使える状態を維持する」ことが防災の本質だと思います。そのためには、自治区としても、自宅としても、定期的な見直しの仕組みづくりが必要です。さらに、避難時には「避難救護対象者」(高齢者や障がいのある方、持病を抱えている方など)への支援も欠かせません。
  • 移動手段の確保
  • 薬や医療機器の配慮
  • トイレや水分補給のサポート
といった視点を、平常時から地域で共有していくことが大切です。
 
5.自宅での備え ―「実用品」としての非常時グッズ
最後に、自宅での備えについてご紹介します。私自身は、非常用グッズを「非常時専用」にするのではなく、「日常生活の中で使えるもの」として選ぶようにしています。
例えば、
  • 小型ガスボンベ用のストーブ
  • カセットコンロ
  • 電源不要の灯油ストーブ
などを、普段から実用を兼ねていくつか保持しています。普段から使っていれば、
  • 使い方に慣れる
  • いざというときにも戸惑わない
  • 故障にも気づきやすい
といったメリットがあります。水については、浄水装置をレンタルし、常に最低2タンクは水を保持 するようにしています。これも、「非常用」と意識しすぎず、日常生活の中で消費しながら、常に入れ替えていく方式を取っています。いわゆる「ローリングストック」の考え方です。
 
 
まとめ:防災・防犯は「特別なこと」ではなく「生活の延長」
防災・防犯・非常時装備品というと、どうしても「特別な準備」「大掛かりな投資」というイメージを持ちがちです。しかし、自治区役員としての経験や、自宅での備えを通じて感じるのは、防災・防犯は、日常生活と地続きの取り組みである ということです。
  • 補助金制度や設備導入の裏側には、事務負担や運用ルールづくりがある
  • 非常時装備品は、カタログではなく「実物に触れて」選ぶべき
  • 発電機などの設備は、消防団など専門性を持つ人との連携が重要
  • トイレ・水・非常食は、「買って終わり」ではなく「期限管理」が鍵
  • 自宅の備えは、非常用と日常用をうまく重ねて、無理なく続ける

 
IMセミナーや地区大会などで勉強させていただいた「自助」「共助」「公助」を身近に感じた年となりました。
本日の話が、皆さまご自身のご家庭や、所属されている地域・職場での防災・防犯を見直すきっかけになれば幸いです。