「無名会」の紹介と四つのテスト
クラブアドバイザー 古川静男パストガバナー
「無名会」の紹介と四つのテスト
今日の卓話は、私が長年続けている「無名会」という異業種勉強会を紹介しながらロータリーの行動基準である四つのテストについて少し述べたいと思います。
まず「無名会」について紹介します。
【設立経過】
無名会は2004年(平成16年)9月に不動産関係の仕事仲間が声を掛け合ってスタートした勉強会で、令和7年11月28日に開催した勉強会兼忘年会が第223回目となり、実に21年間も続いています。
【メンバー構成】
参加者の職業は、司法書士が2名、弁護士、税理士、土地家屋調査士、建築士、不動産会社の支店長、銀行の支店長、保険会社社員の計9名で、設立当初から参加しているメンバーは4名となっています。支店長は転勤により3~5年で交代していますが、他の資格者は入会以来皆さん継続しています。年齢は70歳の私が最年長で、60代2名、50代5名、40代1名、30代1名です。設立が21年前ですから私も40代最後の年で、皆さん若くて勉学意欲に燃えていた時期でした。
【名前の由来】
当初は「異業種勉強会」と呼んでいましたが、折角だから名前を付けようということになり、あれこれ考えた末、私の発案した「無名会」となりました。
陽明学者で思想家の安岡正篤氏の「有名無力、無名有力」の言葉から名付けましたが、安岡正篤曰く「本当に有力な人になろうと思ったら、なるべく無名でおることを考えなければならない。『忙しい、忙しい』というのは有名人の口ぐせだが、『忙』という字は立心偏に亡ぶ、と書いてある。『心が亡くなる』ということで、忙しいと本当に心が亡くなる。人間は大成しようと思えば『有名無力』にならないように気を付け『無名有力』にならなければならない。」
無名時代に実力をつけようということでこの名前にしたのです。
【活動内容】
無名会の活動は、毎月1回、18時半から19時15分までが勉強会で、毎回会員が順番に講師を務めて研修を行い、19時半から懇親会を実施するというパターンで行っています。テーマは自由ですが、大体自分の職業に関する内容が主となっています。税理士だと相続税や贈与税に関する改正点、弁護士や司法書士だと、法律改正や仕事での事例紹介、各支店長もそれぞれの業務に関する内容が中心で話をしています。因みに、10月の銀行支店長のテーマは「どうなる松本中心市街地」、9月の私のテーマは「認可地縁団体が所有する不動産に関わる登記の特例」でした。懇親会は、担当会員が自ら店を探してくるので、毎回違う店で開催され、これも大きな楽しみになっています。
11月に行う忘年会は必ず泊りで行い、その時は宴会後に部屋に集まり、「今年印象に残った一冊」ということで本を紹介します。1人10分~15分位の時間で、その本を選んだ理由や本の内容を紹介しあいます。呑みながらではありますが、結構真面目にやりますので終わりはいつも午前0時を過ぎています。
無名会のメンバーの内6人がロータリアンです。松本西南RCが4名(1名退会)、松本空港RCが1名、松本RCが1名で、私以外は無名会に入会してからロータリーに入会した人達です。
無名会の仲間とは共同して奉仕活動を行うことまではしていませんが、無名会の活動は職業奉仕の礎を築く一端になっているものと思っています。
ロータリーにおける「四つのテスト」は、職業奉仕の理念を端的に表すものと言われており、職業奉仕の哲学ともいわれていますが、現在ではロータリアンの行動規範として日々の行動においても基準となっています。
四つのテストについては、また別の機会に説明したいと思いますが、私がガ
バナー時代のクラブ訪問時に使用したPPでは、四つのテストは、職業倫理を説いたものとして説明していました。
ロータリーにおける奉仕活動には様々なものがありますが、私自身は「職業奉仕」を一番重要視して日々活動をしています。仕事の場で如何にこの四つのテストを実践出来るか、自問自答する日々が続いています。